【全訳】三代の栄耀一睡のうち…奥の細道・平泉

2015年1月19日 4:33 PM

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奥の細道関連地図。

場所の位置関係を把握しよう。

岩手県平泉。

 

三代の栄耀一睡のうちにして、(三代にわたって栄えた藤原氏の栄華も一睡の夢のように消え、)

 

大門の跡は一里こなたにあり。(大門のあとは一里ほどこちらにある。)

 

秀衡が跡は田野になりて、(秀衡が住んでいた場所は田んぼになっていて、)

 

金鶏山のみ形を残す。 (金鶏山ばかりが昔の形をのこしている。)

 

まづ高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。(まずは高館に登ると、(眼下には)南部から流れてくる北上川という大河が見える。)

 

衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下にて大河に落ち入る。(衣川(という川)は、和泉の城をまわって流れ、高館のところで大河(北上川)に合流をしている。)

 

泰衡らが旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし固め、((秀衡の息子の)泰衡が住んでいた所は、衣が関を隔てたところにあり、南部から平泉に入ってくる道を固めており、)

 

夷を防ぐと見えたり。(蝦夷の侵入を防いでいたと見える。)

 

さても 義臣 すぐつてこの城にこもり、(それにしても、義経は選りすぐった家臣たちとこの高館の城に立てこもり、)

 

功名一時のくさむらとなる。(この場所は一時の高名をたてたけれど、今は草むらとなっている。)

 

国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、(『都が戦に敗れても山河は残っており、都に春の季節がやってきて草や木が生い茂っている』と杜甫が詠んだ句を胸に、)

 

笠うち敷きて、時の移るまで涙を落とし侍りぬ。 (笠をおいて、しばらくの間、涙を流したのであった。)

 

 

夏草や兵どもが夢の跡(昔、武士たちが栄誉を求めて戦ったこの場所には今、夏草が生い茂っており、昔のことは夢のようにはかなく消え去ってしまったことだよ)

 

卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良(真っ白い卯の花を見ていると、あの兼房の白髪が思いうかぶことだよ)

 



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