【全訳】仁和寺にある法師、年寄るまで…徒然草

2015年1月19日 11:09 PM

ImgForThum-3498 現在の仁和寺。

とても広いお寺です。

京都府

 

 

仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、(仁和寺にいた、ある法師が、年をとるまで石清水八幡宮を参拝しなかったので、)

 

心憂くおぼえて、あるとき思ひ立ちて、(情けなく思って、あるとき決心して、)

 

ただ一人徒歩よりまうでけり。(ただひとりで徒歩でお参りした。)

 

極楽寺、高良などを拝みて、((石清水八幡宮に属する寺の)極楽寺と、(石清水八幡宮の末社である)高良神社などを拝んで、)

 

かばかりと心得て、帰りにけり。(これだけだと思いこんで帰ってしまった。)

 

さて、かたへの人に会ひて、(そして、同僚に向かって、)

 

「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。(「長年の間思っていたことを、なしとげました。)

 

聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。((かねて噂に)聞いていた以上に尊くいらっしゃった。)

 

そも、参りたる人ごとに、山へ登りしは、何事かありけむ。(それにしても、参拝した人がみんな山へ登ったのは、何事があったのだろうか。)

 

ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意(ほい)なれと思ひて、((私も)行ってみたかったが、神に参詣することが本来の目的だと思って、)

 

山までは見ず。」とぞ言ひける。(山(の上)までは見なかった。」と言った。)

 

少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。(ちょっとしたことにも、案内者はあってほしいものである。)

 



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